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【風のタイムトリップ vol.26】中世の宿駅から 幕末の舞台に「小野路の里」


 
 町田市北部の谷戸に佇む小野路の宿は、すでに鎌倉時代、幕府と武蔵国府の府中を結ぶ鎌倉街道上道の宿駅として栄えていたという。この時代、鎌倉へ通じる道はいくつもあったが、北関東や奥州など各方面からの道が小野路を経由したため、交通の要衝となっていたのだ。
 今でも民家の板塀などに往時の雰囲気を残す小野路宿の入口には、10世紀の創建と伝えられる小野神社がある。972年、武蔵国司に赴任した小野孝泰がこの地に祖先の小野篁を祀ったのが起こりで、室町時代には正珍という僧によって宮鐘が寄進され、朝夕、旅人に時を知らせていた。ところが戦国時代、山内 ・扇谷の両上杉氏の戦で、山内上杉氏の兵が陣鐘として持ち去り、その鐘は現在、逗子市沼間の海宝院に保存されている。
 江戸中期以降、小野路宿は大山参詣などで賑わう大山街道の宿場となった。小野神社周辺には幕末の頃、角屋、福島屋、池田屋など6軒の旅籠があったという。現在、通りの中心部にある立派な門構えの小島資料館は、近藤勇らと親交の深かった小島家の屋敷だ。現在も母屋には1842年に建てられた当時の柱や間取りが残っており、この庭で、近藤や土方、沖田らが天然理心流の剣術を指南したという。また館内には彼らの貴重な書簡なども展示されている。
 小野路宿周辺の山中には、今でも小野路に至るさまざまな古道が残されているが、その山道を歩いていくと小野路城祉に至る。小野路城は、小山田氏が12世紀後半に小山田城の支城として築いた中世の山城。ここには、また、次回訪れることにしたい。

 
小島資料館
小島資料館 第1・3日曜開館
入場料/中学生以上600円、小学生300円
電 話/042-736-8777
 
小野神社
小野路宿入口の高台に佇む、10世紀創建の小野神社
 
26回地図

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