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【風のタイムトリップ vol.33】琴平神社本殿から王禅寺ふるさと公園を抜けて


 
 その昔は、お坊さんと小天狗が安座していたという珍しい鳥居をくぐり、急な石段を登って、見晴らしの良い高台に立つと、本殿の前には4人の山伏が重い手水鉢を肩で支えている手水舎があった。これは「がまんさん」と呼ばれているもので、忍耐の尊さを諭したものだという。そしてその先には、面白いことにニ対の狛犬がおり、手前の古い台座には「天保九戌年十月吉日」と刻まれていた。
 麻生区王禅寺にある琴平神社は古文書によれば、1826(文政9)年、もともと神明社のあった伊勢山と呼ばれるこの地に、志村文之丞によって四国金刀比羅宮の祭神を勧請し、神明社・琴平社の合社が再建されたものだ。ところが4年前に本殿が放火に遭い、ご神体は守られたものの、天井にあった渡辺崋山筆と伝えられる63枚の板絵も焼失してしまった。そこで、画家としても活躍している宮司の志村幸男氏は、先代の残した板絵の写真をもとに精魂を注ぎ込み、そのすべてを油絵で再現。2001年、新しい拝殿の完成とともに天井画として見事に復元された。金色を下地に花鳥山水を描いた天井画は、ここを訪れるならぜひ見たい逸品。事前に社務所に連絡すれば、見学可能である。
 ところでこの神社本殿から王禅寺までは、とても気持ちのよい散策道が続いている。境内を出て住宅街をしばらく行くと、琴平神社第二参集殿という建物があり、遊具のある緑地公園を過ぎた民家の切れ目から山道に入る。木立に覆われた小道は東側が王禅寺、北西一帯が王禅寺ふるさと公園に囲まれて王禅寺の山門まで延々と続いている。木々のざわめきや木漏れ日、鳥の鳴き声が響き渡り、ここが川崎市の一角であることを忘れる清々しさだ。途中、何か所かの分岐点から公園の敷地に入っていくことができる。
 
琴平神社
見晴らしの良い丘の上に建つ琴平神社本殿
 
山道
琴平神社本殿から王禅寺に繋がる
気持ちの良い山道
 
32回地図

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