先生のコラム

弊社が発行する地域情報紙「マイタウン」で、2015年秋から2016年春にかけて、「子どもと学校」をテーマに
私立学園の先生方にご執筆いただいたコラムです。お子さんの進学について考える際にぜひ参考になさってください。

「小学校入学に向けて 〜私立小学校と公立小学校〜」

 真辺 英二(相模女子大学小学部 校長)

 公立・私立を問わず、小学校の学校選びは入学してからの6年間はもちろんのこと、その先の中学校や高校までも左右しかねない重要な課題です。近くの公立小学校と家から通学できる範囲の私立小学校、それぞれの小学校について知りたい情報は十分でしょうか? 私立小学校には、キリスト教を中心とした人間教育を掲げる学校や高い学力をめざす進学校、多彩な教育プログラムで人間形成の基礎を大切にした学校など、それぞれの学校にはっきりとした特色があります。
 学校選びは、WEBサイトの情報だけでなく、各学校で行われる学校説明会や公開授業、公開行事、学校外で行われる情報フェアや説明会などに労を惜しまず足を運んで、自分の目で確かめ、先生方の話を聞き、質問することがとても重要だと思います。そのまま近くの公立小学校へと思わず、まずは自分たちの教育方針と、我が子にとってどんな教育環境が良いのかを考えてみましょう。選択にあたって多くの観点を確立し、公立小学校の良いところ、私立小学校それぞれの学校の特色や教育環境、卒業後の進路など、小学校教育の現状をしっかりと把握する中から、我が子に合った通わせたい学校を選び、入学に向けて備えたいものです。
(マイタウン2015年11月1日号掲載)

「子どもたちの姿で選びましょう」

 加川 博道(和光鶴川小学校・幼稚園 校園長)

  小学校は学校ごとに教育方針があります。近年は公立小学校も独自性を打ち出していますから、地域の違いと共にその教育内容に違いが出ています。説明会、パンフレット、ウェブサイトなどの情報だけでなく、実際に学校に足を運び、授業や行事など日常の学校の様子を見ることが大切です。
 当たり前のことですが、その学校の教育の特徴は、そのままそこで生きる子どもたちの姿に投影されます。校門を入ると子どもたちの姿が見えます。施設や制服などの学校環境も大切ですが、「ここの子どもたちはのびのびしているな」「楽しそうだな」「表情が明るいな」など、自由に遊んでいる子どもの姿からその学校の空気がある程度読み取れます。
 次に、授業場面を見てみましょう。教材や教具、視聴覚機器、机の配置などと共にしっかり見たいのは、一方的な伝達式の授業か、子どもたちが能動的に参加する授業か。教師対子どもの授業か、子どもと子どもの関係性の見える授業か。授業の中で子どもの認識の広がりや深化の見える授業か。教師がどれだけ子どものつぶやきを拾い、それを授業の流れに位置づけているか。そして、何よりも子どもたちが楽しく授業に参加しているかを見ましょう。私立は独自の教育理念と教育方針を掲げています。それが子どもの姿にどう反映されているのか。実際に親の目線で確かめて、学校選びをすることをおすすめします。
(マイタウン2015年12月1日号掲載)

「私立小学校と公立小学校のカリキュラム」

 星野 昌治(帝京大学小学校 校長)

 私立小学校は公立小学校と違い、それぞれの学校独自の建学の精神があり、それが歴史と伝統となり、カリキュラムにも教育理念として反映されています。
 公立小学校は、文部科学省の学習指導要領に基づき、どの小学校に行っても同じ内容の教育を受けることができます。しかし、私立小学校にはそれぞれの学校ならではの特色が出るような教科、内容の教育活動を行っています。例えば、劇・舞踊・文学・遊び・レゴ・討論・宗教などその学校でしか学べない授業であったり、算数を数学、図工を美術、理科を自然科と呼び、小学校から質の高いアカデミックな授業を行ったりしている学校もあります。また、グローバル化に対応して、ほとんどの私立小学校で英語の授業を1年生から導入しています。
 さらに、年間行事においても私立学校には特色があります。1年生から宿泊学習に行き、夏には「海の学校」や「林間学校」、冬は「雪の学校」(スキー教室)、全校で行く宿泊行事もあります。学校によっては、宗教行事があったり、洋食・和食のテーブルマナー教室があります。また、1年生から学んでいる英語の研修と異文化を理解するため、海外語学研修を行っている学校もあります。
 教職員については、私立学校は異動がありません。そのため、長期的な一貫性のある指導を受けることができます。親子で同じ担任であったり、歴史のある学校では祖父母の代から三代同じ学校で教育を受けているなど、私立学校の大きな特色と言えます。
 私立学校は、はじめに書いたようにそれぞれが独自の教育を行っています。ぜひ、ご自分のお子様に合う学校を見つけるため、色々な学校を実際に見てみることをおすすめします。
(マイタウン2016年1月合併号掲載)

「未来を見据え、個性に応じた学校選びを」

 松枝 秀樹(桐蔭学園 小学部 教頭)

 お子様のより良い成長を願うためにも、ぜひ多くの学校に足を運んでください。近隣の公立学校だけでなく、多彩な教育を実践する私立学校も視野に入れ、お子様の個性を活かせる学校選びをしませんか?
 私立は、独自に建学の精神や校訓を掲げ、特色ある教育をしています。小・中・高、更には大学まで擁する一貫校をはじめ、受験を見据え高い学力をつける進学校、キリスト教などの宗教哲学に基づいて人間教育をする学校、外国語や独自の科目で幅広い人間形成を築く学校、そして、自然に溢れた学校もあれば、通学の利便性が高い学校や、街中で地域性の豊かな学校など、実にさまざまです。
 どの学校情報も、WEBサイトや情報誌から容易に得られる時代です。しかし、それだけでなく、各地での相談会や各学校での説明会に出かけ、実際に現場教師の話を聞いたり、施設や環境を直に見たり、特徴的な授業や教師の対応に触れたりすることこそ大事な情報です。そして、何よりその学校の児童の姿を親御さんの目でじっくり見て、「我が子に受けさせたい教育」や「お子様が行きたいと思う学校」を探しましょう。
 小学校の6年間だけでなく、卒業後の10年先の未来まで考えて、本当の意味で「お子様の個性に合う学校」選びをおすすめします。
(マイタウン2016年2月1日号掲載)

「子どもの成長と実体験」

 山崎 昭彦(聖ドミニコ学園小学校 学校長)

 「かわいい子には旅をさせよ」と昔はよく耳にしました。親元を離れれば、自分で考えて判断し、行動に移さざるを得ない環境に身を置きます。辛く苦しいことをも含めて体験することは、望ましい学びの積み重ねになることでしょう。初めての土地で見知らぬ人との接触を余儀なくされる。自分の思う通りにはならないこともある。こんな体験は異文化交流、グローバル体験の初めの一歩といえます。
 実体験は子どもの内面を刺激し、視野を広くし、興味関心を深めます。学校生活の中に限っても、工作や理科実験、外国人の先生とのささやかな会話などは、見聞きするだけでは得られない充足感や感動が得られます。小さなきっかけが子どもを大きく成長させます。
 さまざまな技術の発展により現代社会は大変便利になりました。スマートフォンやタブレットをいじればさまざまな情報が手に入り、遊ぶことができ、知識を得ることができます。しかしその便利さと引き換えに、子どもたちが実体験を経ないまま「知っている」気になってしまいがちな時代であることに留意しましょう。
 建学の精神がはっきりしている私立学校は、学びの軸が揺らぎません。創立時から外国語教育を進めていたり、専科教員を幅広く配置したりしているのは、実体験を重視する姿勢の表れです。子どもの教育環境を選ぶとき、WEB上の情報にだけ頼るのでなく、各校に出向く旅もまた、よい実体験となりそうです。
(マイタウン2016年3月1日号掲載)

「日本語・英語を駆使する基礎力を早期に育成」

 後藤 健(玉川学園 教育部長 K-4年)

 玉川学園の創立者・小原國芳は、「夢」を持つことの大切さを繰り返し語りました。本学園ではその夢の実現のため、きれいな心・よい頭・つよい体の3つをバランスよく育てることを目標としてきました。夢を実現し、「神と人から愛されて、世界で活躍できる人になる」ことを目指して日々の教育活動にあたっています。
 各学校では、時代の変化や子どもの発達段階に対応するため、それぞれの特徴を活かした新しい教育プログラムに挑戦しています。玉川学園では、4月からBLES(Bilingual Elementary School)クラスをスタートします。BLESクラスは教育課程特例校の認定を受け、指導要領に則って学習を展開。国語・社会以外の授業を基本的に英語で行うことで、1日のうちの7割程度の時間を英語で学びます。これにより、自ら探究し考えて学ぶ力を育成する「IBプログラム」の学習に、対応できる英語力を身につけます。
 国際社会において、責任ある行動をとることができる人材の基礎を育てるには、日本語と英語を身につけると共に、国際社会で必要な学力と資質を育てる必要があります。日本語と英語の併用は混乱しないかと心配する人もいますが、九つまでの「つ」のつく年齢までは苦労せず慣れていきます。IBプログラムを英語で学ぶためには早くから始めた方がよいのです。
 最も大切なのは夢の実現です。子どもたちが見つけた夢や理想に挑戦できる基礎力を養成することが、私たちの仕事だと考えています。その夢の結果として、子どもたちがグローバル社会にさまざまに貢献できる人材に成長することを願っています。
(マイタウン2016年4月1日号掲載)

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